・バブルどころじゃない現代美術 その1

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※この記事は、2006年に掲載したものです。現代美術の価格・相場は、短期のうちに変わりますので掲載時期を考慮された上でお読み下さい。

 ある画廊へ遊びに行ったときの話です。この画廊では過去のオークションカタログをたくさん保存していて立ち寄るたびにパラパラと捲ったりするのですが、毎回話題となるのが「かつての落札価格」。大手オークション会社が各地にオープンするちょっと前くらいのカタログや落札価格を見ては「いやー、高かったね」とか「狂乱の値段」などと冗談交じりに話すのが楽しみというか、恒例行事になっていました。

 詳しく覚えていませんが、こういった一般参加・常設型のオークションハウスができ始めたのは、バブル最末期か弾けた後くらいの時期だったと思います。ビジネス・金融関係はともかく一般社会にはまだその残照があって、深刻な不況と言われる手前くらいの時期でした。ですから、オークションの落札価格もまだ高め。そして、その頃は実験的に始められた小規模のオークションや特色あるオークションが結構あったのです。

 私達がいつも話題にしていたのは、景気や相場といったものが色濃く反映する「現代美術のオークション」。正直、そこに記録されていた落札価格は驚くような数字でした。もっとも、それがその時の相場と言われればその通りですし、当時は高いという数字ではなかったのかもしれませんが、景気の悪い時期に見ていたこともあって話のネタには十分。いつも、「こんな値段で誰が買うんだ」「もう一回こういう時期がこないかなぁ」などと冗談交じりに話をしていたのですが…。

 ところが、しばらく前から「メチャクチャ高い価格」と笑っていた過去の落札価格が、「あれ、そうでもないぞ」という感じになってきたのです。異様に高いと思っていた落札品の中に、「あ、この価格で買った人はラッキーだったな」という作品さえ、今となっては何点か見受けられるようになりました。

 これは、「景気が良くなって相場が上がった」「作家が出世した」等、理由はいろいろあるでしょう。ところが、景気という要素は密接に絡むとして、落札価格・作品を見るとどうもそれだけではありません。当時の落札価格で「メチャクチャ高い」といつも話題にしていたある作品は、現在買うならとてもそんな値段では買えないというくらいに高騰していますし、一方ある作品はやはりその頃の落札価格が「バカ高」で、落ち込んだ価格が今も全く回復していないのです。

 その違いは、一体何でしょうか…?
※その2に続きます。

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コメント

私の一番好きな分野のお話で、続きが待ちどうしいです。

 コメント有難うございます。

 ご期待に沿える記事かわかりませんが、
詳しい追記がある場合はymoさんもご覧の
「裏」に書こうと思っています。

 現代美術の記事は、書くのに気を遣い
ますね…(笑)。

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