・美術、骨董品の梱包 その3

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 梱包の難しい美術品と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますでしょうか? 普通なら、真っ先にコワレモノである「陶器」や「ガラス」と思われるかもしれません。

 しかし、既に風化してポロポロになっている場合や特殊な形状をしている場合、あるいは重量があるという場合を除いては、案外壊れないものなのです。そもそも、美術品としての陶器やガラスは箱に入っているケースが多く、梱包の難しそうな品物でも箱に軽く詰め物をしてからその箱自体を梱包してしまえば特に問題はありません。裸だったとしても、適当なボール箱などを合わせてから同様の梱包をすれば良いのです。

 では、普段私が扱っているもので、梱包が厄介だと感じているモノは何か…? それはズバリ「紙」です。

 一概に「紙」と言ってもいろいろあります。写真、絵画、版画、ポスターから、書、経典、仏画、浮世絵、古文書…。これが小さいものであるとか、初めから何らかの箱や額に収められたものなら特に問題はありません。困るのは、ある程度サイズがあって額やケースに入っていない「シート状態」の場合。※シートとほぼ同義語ですが、日本画や書などで表装されていないペラペラ状態の品は「まくり」と呼ばれます。

 紙ですから、それ自体を包むことは極めて困難。しかも、美術品のため丸めて送ることもできません。基本的にそのままの形状で送らなければならないのです。結局、薄羽紙を軽くあてた後、中で動かないよう固定しつつ板やダンボールで挟み、さらにそれを梱包するということになりますが、これがなかなか面倒。なおかつ、例え上手く梱包したとしてもサイズが大きく平べったい形状になりますので、配送の際に折れたり曲がったりという危険も常に考えなければなりません。最近私は写真や版画の類をよく扱っていますが、「紙」というのは保存するのも発送するのも何かと気苦労の多い商品なのです…。

 と、この話を書いていて、以前私宛に送られてきたある絵画を思い出しました。
※その4に続きます。

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コメント

ハイレベルであるからこそ、いろいろとご苦労があるようですね。わたしは、絵画コレクションを始めたばかりで、難しいことはわかりません。絵画について、経験に裏打ちされた体験談を教えていただけるとうれしいです。

 コメント有難うございます。

 ここのところ現代美術品を扱ってはいますが、以前から絵画らしい絵画というのはほとんど扱っておりません。私は、陶器、もしくは現代美術の専商で、当サイトに絵画の話があまりないのはそのためです。あまりご期待に添えないかもしれません(スミマセン…)。

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