・東京 上野→秋葉原 その3

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 東照宮を歩いていると、何やらスピーカー越しの声が聞こえてきました。

「この建物は○△…」「次に、○×をご紹介しましょう」。宮司さんでしょうか? 関係者でしょうか? どうやら、スピーカーを通して東照宮の紹介を流しているようです。何を話しているのか確認するためチラッと耳を傾けましたが、屋外でポツンと立ったままこの放送を聞く人はほとんどいないでしょう。静寂の似合う場所なのになぁ、などと思いつつしばらく歩を進めると、今度は社殿の正面、お賽銭箱の真ん前から話し声が…。

 初老くらいの男性が、得意そうな顔でオバサン2人に話し掛けています。「将軍○○というのは、どうたらこうたら…」。どうやら、東照宮や将軍にまつわる話をしている様子。歴史好き・話好きのご主人を持つのも時として困るものですね。もう1人の女性は友人か親類かわかりませんが、2人とも明らかに興味のない顔でした。    

 社殿の写真でも撮ろうと思い3人が移動するのを待っていたものの、男性はますます得意そうに話をしていて賽銭箱の前から動く気配がありません。まあ、待ち続けてまで写真を撮りたいわけでもないので、さっさとお参りして帰ることにしました。お賽銭でもあげようと近づくと…。

「話、聞いてます?」「え、ええ、聞いてますよ…」。そしてわずかな会話の後、女性2人は男性から離れていきました。私がどちらかの女性の旦那さんだと思っていたオジサン。実は全くの他人だったのです。この男性がどういった方かわかりませんが、お参りに来た女性二人をつかまえ、自分の知識を披露しようとしたのでしょう。

 静かな境内に流され続けるスピーカーからの解説。知らないオジサンから突然聞かされる歴史の講釈。どちらも「教えてあげたい」「説明してあげたい」という親切心からだと思います。が、それを承知の上で正直に書けば、私の心には「ありがた迷惑」という言葉しか浮かびませんでした。料理自慢が「食べさせてやろう」と振舞う料理、歌自慢が「聞かせてやろう」と誘うカラオケ、宴会好きが「楽しませてやろう」と引っ張る飲み会…。勿論、嬉しい場合もありますが、悪意のない迷惑というのは断りづらいだけに最も厄介なものかもしれません。ともかく、私もいろいろと勉強になったひとときではありました。

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 東照宮を出て上野の森美術館方面に少し戻り、五條天神社を抜けると不忍池です。池のほとりでは季節毎に骨董市も開催されていますが、お越しになったことはありますでしょうか? パッと見、フリーマーケットのような雰囲気の漂う市ですが、案外面白い物が落ちていたりします。

 さて、不忍池の反対側に出た私は、以前から見学したいと思っていたある場所へ行くことにしました。


 ※不忍池。何もない平日でも、付近にはお祭りや縁日の雰囲気が漂っているようです。

・その4に続きます。

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