・梅雨

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 暑かったり寒かったりと体に悪いような気候が続きますが、湿気の多いこの時期は骨董ファンにとって気をつけなければならない季節かもしれません。

 湿気というと、まず困るのが「日本画」。掛け軸や屏風にシミが出ているのを見たことがある骨董ファンは多いかもしれません。という私も、家にシミだらけの掛け軸(昔からあったもの)があるのですが、日本画というのはとにかくシミ・カビにやられます。たまに飾って風を通すのは大事なことでしょう。      

 そして陶器。この時期に限った事ではありませんが、酒器や湯呑などもカビてしまいます。特に、土の目が粗い焼き物や口が狭く乾燥しづらい形状の陶器(徳利など)には注意が必要。以前の記事にも書いたことがあるのですが、これについては数年前に某一般参加型オークションで失敗したことがありました。ある品を買ったところ、カビにやられていたのです。展示の際は当然ニオイなど嗅ぎませんし、増して広い会場に品物だけ置かれている状態ではわかりません(ニオイがこもるため、箱を開けた時に気づくものなのです)。

 オークション会社というと万全のチェックや鑑定を行っているようにも思えますが、意外とそうでもありません。オークション側としても「プレビュー(下見会)」という機会を与え「自分の目で見て下さい」という前提で売っていますし、莫大な品数を扱い、数多い開催日数をこなしていればキズ物なり何なり混じろうというものです。

 遠方で品物を見られないケースがあったり、あるいは購入を予定していなくても場の雰囲気で欲しくなる品もありますが、美術・骨董品には「状態」という大きな要素があります。できるだけ実物を見て(嗅いで?)確認したいところです。

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コメント

梅雨の真っ最中ですね。軸のシミ抜きは昔だいぶやってみましたが、中途半端にやってかなりだめにしてしまいました。本紙をはずして、表装を全部やり直す覚悟で洗いをしなければかえってひどくなりますね。最近はシミも「景色」と思って(笑)、下手にいじらないようにしています。しかし軸にはシミがどうしてつくのでしょうかね。あまり乾燥させると紙が傷むし、湿度が多いと黴がくるし、天気の良い日に時々だして虫干しをよくするぐらいしかないのでしょうか。ゴミ同然の古軸に、作者の気持ちが伝わる物がママあり、最近愛着を覚えるようになってきました。
梅雨にちなんで一句 「 あじさいをきれいな風がなでている 」、「 田に水を満たしてしずかなり 」

 シミ。日本画は仕方ないという一面もありますよね。日本画と日本の気候…。 ある国の美術品が、その国の気候により大きな影響を受けるというのもちょっと興味深い話です。 

 俳句、特に後者が気に入りました。

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