・ドカンと買う人 こまごま買う人

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 骨董品なり美術品は趣味のものですが、買う品物同様、買い方にもその人の個性が表れるようです。

 その1つとして、(業者・コレクター問わず)金額的に安い美術・骨董品を買っている人はそればかり、ある程度の物を買う人はやはりそういった物ばかり買うということが挙げられるでしょう。

 最近ご無沙汰していますが、私が美術商になりたての頃に親しくさせてもらった方がいます。この方はコレクターで、社会的地位もある大変なお金持ち。が、何故か買う品は「細かい物(安い物)」ばかりなのです。勿論、安いから悪いと言うことはないのですが、とにかく数千円、数万円くらいの品を次々と買う…といった感じでしょうか? 安いと思うから買うのか、たくさん揃えるのが好きなのか…。

 よくわかりませんが、これはその人の性分によるものなのでしょう。例えば「自分のお金で100万円分美術・骨董品を買うとしたら」と言われて、皆さんどうされますでしょうか? まあ、実際その立場にならないとわからないかもしれませんが、ある人は1万円、2万円といった品をたくさん買うでしょうし、ある人は2~30万の品を数点買うかもしれません。そして、ある人は100万円で1点…ではなく、足りなければお金を足してでもそれ以上の価格の品を買うのではないかと思います。「お金をもらえるのなら俺も高い品をドーンと買うよ」と考えても、「自分のお金」として使う段階になったとき、果たしてそのような買い方ができるでしょうか?

 普段から高い買い物をしていなければ、「いざ」という場面で思い切った使い方はできないものです。私も駆け出しの頃、ある先輩美術商にこういうことを言われました。「失敗しても、たまに(金額的に)大きな品を買えよ。そうでないと、いざという時に躊躇して買えなくなるぞ」。

 美術・骨董品ですから気に入った物を買うのが大原則。予算を決めその範囲内で買う、買い物自体を楽しむというのもありでしょう。が、もし名品に辿りつきたいと考えるなら、時折「大きな買い物」をしてみることは必要なのかもしれません。

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コメント

コレクターとして初めの頃は相場がわからないので純粋に「良い物」を買っていましたが、ある程度相場に慣れてくると、「少し品は落ちるけど割安だから・・・・」といった雑念から買うケースが多くなり、結果、だんだん質が落ちてきました(笑)。

そこでようやく気がついたのですが、私は品物の価値・質よりも、買うことに喜びを見いだしているコレクターかもしれないと・・・・(中笑)。その証拠に買うときは穴の空くほど見るのに、手元に入るとほとんど見なくなります。これでは1000円でも100万でも同じですから、安いほど無駄遣いしなくてすみますね(大笑)。

良い美術品とは、毎日見ていても飽きず、常に見たくなる物を言うのではと思いますが、この点からすると私にはまだ良い品物を手に入れていないのでしょうね。

 コメント有難うございます。

 私も以前は、「細かい物をたくさん買うなら、まとめて1つ名品を買った方が良いんじゃないかなぁ」などと考えていました。

 が、(『裏』の記事かどこかに書いたような気がしますが)しばらく前から「買い物」という行為自体を楽しんでいる人が多い事に気付き、今はそういう考えがなくなりました。物の楽しみ同様、買い物も楽しみたいものです。

はじめまして。骨董・美術好きの迷九(めいきゅう)と申します。

とてもおもしろく、そして勉強になります。読み始めると止まりません。ひとつ困ったことが。最高に盛り上がって次どうなるのかと期待していると、「裏・・・」! 「裏・・・」が本になっているなら、すぐ本屋さんへ行きたい心境です。

新しいコラム、楽しみにしています。ありがとうございます。

 コメント有難うございます。また、ここ数日長時間にわたり記事をご覧いただき、恐縮いたします。

『裏』の作成理由に関しては、リンク先にある紹介ページをご覧下さい。昨年末読者募集をしたばかりで次回の募集は不明ですが、今後ともよろしくお願いいたします。

久しぶりに投稿させていただきます。
今回のコラムを拝見して、ふと数年前に購入した備前の小ぶりな壺の事を思い出し、久しぶりに箱から出しておりました。
会社から帰宅したところ、リビングに肥後椿とともに飾ってありました。
妻曰く、持ってるだけじゃねと。おっしゃるとおり少々反省しました。

 コメント有難うございます。

 やはり、「集めるまでが楽しい」「買うまでが楽しい」「買うことが楽しい」というのはあると思います。私も手元に置くつもりで買ったのに、その後「お蔵入り」してしまった品が結構ありますよ(笑)。

 勿論、出して飾るのが良いのですが、「手に入れること」「買い物をすること」の楽しみを満たしてくれたのだから、眠っている状態の品にも存在意義があるのかもしれません。

は・は・は・・・結局は皆さん同じなんですね。病の軽重はあるものの、「物を鑑賞する楽しみ」と、「買うことの楽しみ」を味わっておられると言うことですかね。ところで「売る楽しみ」というのもあるのでしょうかね。

「物を買う」という行動。これには、多分に人間が持つ欲求が関係しているのでしょう。「物を集める」ということとはまた違うかもしれませんが、「消費したい」というのは本能としてあるのかもしれません。

 対象が美術・骨董品でなくとも、買い物で発散するとか、気分転換することはよくありますからね。これは、その品を欲するということより、消費したいということなのかもしれません。

ほしいものを買うまでの熱意と、届いて開封した後の執着心がたしかに違います。届いた直後から次のアイテム探しにむしろ熱中して、自己嫌悪になったりします(笑)。

レコードのシングルコレクターの人でも 『ほしい病』 などと言って同じような症状です。
届いたレコードの箱は全部聴き終わっていないのに次のレコードを探すらしいです。

最終的に、『したいようにするだけ』という境地で暮らしております。

 コメント有難うございます。

 私の親友にもレコード・CDのコレクターがいますが、買うだけ買って聴いていない~しかも熱が下がると買った価格の何分の1とか、ほとんどタダの価格で売ってしまったりします。

 やはり、手に入れること・買うこと自体で欲求を満たしているということなのでしょう。こう考えると、「無駄な買い物」というのは実はないのかもしれません。美術・骨董品のみならず、「買うこと自体に意義がある」といったところでしょうか…。

管理人様・お集いの皆様。

こんにちは。
久しぶりに 覗かせて頂きました。

当方は「糊炊き職人」で 御座います。

収集対照は 次の時代に残さなければ ・・・ との思いの 「汚れた・傷ついた書画」と しています。

私の好みが入るのは 避けられませんが ・・・。
それを、時折 お数寄の方に譲ったり 或いは オークションに 掛けたり致しております。

直しておる時は 私の愉しみ。(難しい書を 読み下せたり・知らなかった略歴が解ったり)
手放す決意は 中々 決まりませんがネェ。

では また 寄せて頂きます。

 コメント有難うございます。

 物を直す楽しみというのはありますよね。私の周りにも、意外なほどそういう方は多いです。

 書画を直すとなると大変と思いますが、見つけてもらった書画は幸せですね。

管理人さま。

こんにちは。

以外にも(予想しておりませんでした。) 好感を頂いたようで (或いは ご理解を頂いたようで) 素直に 喜んでおります。

「励みに致します。」

今後とも 宜しくお願い致します。

 コメント有難うございます。

「意外」というご意見でしたが、物を直す、あるいは朽ちていきそうな物をまた世に出す…。これに好感を持たない人はいないでしょう。

 ちなみに私も物を作ったり直すのが好きです。美術商の仕事とは直結させていませんが、余裕があれば美術修復や金継ぎを本格的に習いたいと考えています。

おおっ、この話題についたレスは伸びましたねぇ~(驚!!)。
私も時に修復を頼まれますが、まず相手に言うことは、「買うより高く付きますが・・・・・」です。これでかなりの人はふるい落とせます(笑)。このため修復するものは、思い入れの強いものか、文化財としての価値が有る物かとなってしまいます。
日本では近年、新品に対しての修繕経費率だけで判断してますから、使い捨ての風潮が蔓延しているのでしょうね。
直す立場からみると、新物を作る以上の腕が要求されますし、過去の職人の手法も解明できて、大変勉強になりますね。

 レスが伸びたのは嬉しいですね。よく投稿しているときはあまり反応の無いサイトだったのですが…(笑)。小さな空間でも美術・骨董好きの方と交流を目指していた側面もありますので、ようやくそれが実現した思いです。

 物を直すのは、物への愛着から。買うより高くついたとしても、直したいものはありますね。私もますます、修復をやってみたくなりました。それに、必ずや目も利いてくると思います。

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