・美術商と信用度 その2

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 以前の記事に書いた通り、近年はネットオークションで作品を購入するケースも増えたのですが、ある時期から少しずつモヤモヤとしたものを感じるようになってきました。

 ネットの取引ですから欲しい品の実物を見ることはできませんが、それでも品物自体の画像は見ることができます。細かな印象の違いやキズの有無は別にして、ある程度どのような品であるかということは分るでしょう。

 ただ、それ売っている人の素性が全くわからないのです。美術商であるのは明らかという場合もありますが、そうだとしてもその出品物のジャンルを得意としてる人なのか、普段の取引で売り物の中に贋作やキズ物を混ぜている人なのか(残念ながらこういう人もいるのです)、肝心の眼力はどうなのか…。とにかく全てが分かりません。オークションには評価があり参考にすることはできますが、この評価は取引に対する評価であり、やはり出品者そのものを知るデータとしては不足しています。

 ネットオークションでは、私もよく扱っている作家物~著名な陶芸家の作品をズラッと並べて1000円からスタートする出品者も多いようです。私の知っている美術商も何人かそれをやっていますし、知らない美術商も「大攻勢」でそれをやってます。名のある工芸家の作品が、毎日毎日次から次へと…(もちろん、贋作というわけではないですよ。大抵の場合は)。

 こうした現状を見るうち、私は「美術商の存在意義」を考えるようになってしまいました。確かに、物をセレクトし出品している時点で美術商としての仕事はしているのでしょう。が、例えばほとんど美術商としての経験がなくても、ある程度の予算を組んで(自分でも他者に頼んでも)ある程度の品を買い揃え、オークションページを綺麗な画像で整え見栄えを良くして、それらしい屋号をつけて取引を始めたら…。ネット界ではそれなりの美術商と見られてしまうのかもしれません。いや、買い手側とすれば落札した品が良い品であれば全く問題はないですし、むしろネットでの取引が日常となった現在では当然の販売戦略なのかもしれませんが…。

 とは言え、実際にネットオークションで何度も無機的な取引をしてみて、小さいながらも漠然とした疑問や不安を感じたのも事実なのです。 

※その3に続きます。

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