・また一山の話 その1

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 このサイトでたまに話題にしている、「一山」の話です。

 一山と言っても、ある程度マトモな品ばかり入っている場合もあります。逆に、比較的安い物が出てくる市場で千円・2千円といった山を買うと、裸になってしまった量産品の花瓶や贈答品の食器、あるいは雑貨品ばかり入っている場合も。いずれにしても、山を選んで上手く買えば2~3万程度の資金で骨董市のテーブルを一杯にすることができるかもしれません。中に当りがあるケースもよくありますし、量産品の花瓶や食器でも飾る&使うには十分。小売店で買ったら高価な品も意外と多く含まれているのです。バラして一つ一つ丁寧に売れば、買いやすい価格に設定してもある程度の利益は上げられるでしょう。中には、何度売っても残ってしまうどうにもならない品もあるのですが、心配いりません。売れ残りを「一山」にして処分すれば良いのです。

 安売りの山の中に良品が入っているケースも多いのですが その理由としては3つ考えられます。1つは、売る側がその品の価値を知らず山に混ぜてしまった場合。もう1つは、1点くらい価値ある品が入っていないと売れないため混ぜる場合。最後は、ソコソコ価値ある品と言っても古美術商の会では「その程度」という場合です。最後についてですが、美術・骨董品に1点物や高級品が多いとは言え、全体的な量を考えれば「莫大な数」に上ります。絶対数が多ければ値段も下がりますし、何よりそういう品を一つ一つ競りにかけていては市場が終わりません。ある程度金銭的価値を見出せる美術品でも、市場では「一山」といった形(値段)で売られるのです。ごく普通の花瓶や食器・雑貨がドンと山になって千円・2千円という話がお分かりいただけることでしょう。

 私のように資金も何も持たずこの世界に入った人間にとって、千円・2千円で買える「一山」は何より有難い商品(売り方)でした。古美術商として売買を始めた直後、少ない予算の中から買った山~利益をもたらしてくれたいくつかの品は、今でも忘れることができません。利益と言っても、その1点だけ売って3~4千円、上手く行っても1万円程度儲かったというだけなのですが、何しろ商売を始めた頃の話。乏しい知識や資料の中からいろいろ調べた結果、山の中にソコソコ名のある陶芸家の作品が入っていたり、小売店での売値が極端に高い物が混じっていたりすると嬉しい気分になったものです。そして、そういう品だけチョイスして比較的小規模のオークションに出していました。業者間では「一山いくら」「その他大勢」の商品でも、陶芸家の作った品や高級メーカーの商品は、ある程度の値段で売れてくれるのです。

 さて、こういった山には「当り」以外に当然「ハズレ」も混じっています。そのハズレが、「それらしい物」~量産品でも花瓶やお皿、自分で使える雑貨の類ならまだ良いのでしょう。中には売り物にならなかったり、「これ、買ったところで一体どうするの…?」という物が混じっているケースもあるのです。 次に、そういった「ハズレの品々」をご紹介しましょう。
※その2に続きます

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