・キノコの鑑定 その3

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 最後に、この記事を書きながらフト思ったことがあります。

 キノコ狩りの名人は、見たこともないような種類や変種のキノコを見たときでも、「長年の勘」でそれが食べられるものかどうかわかるという話を聞きました(だからといって、即食べるというわけではないでしょうが)。ある程度慣れた人でも、確認されている個体の判別でさえちょっと苦慮するのです。図鑑で見る個体と自然界で見る個体では大きな違いがあるでしょうし、キノコは幼菌と成菌で色や形が異なるものも多いのです。

 しかし、名人はそういった既存種は勿論、よくわからない種類でも正体を見抜いてしまう…。先程「長年の勘」と書きましたが、これは経験のなせる高度な「鑑定技術」ではないかと思うのです。そしてこの話を聞いたとき、またも「目利き」の話を思い返さずにはいられませんでした。これも全ての「鑑定」「判別」といった作業に言えるのかもしれませんが、私などがいくら見ても鑑定に迷う物を、トップクラスのベテラン美術商は瞬時に見抜く場合があるのです。ルーペで詳しく見るでもなく、参考文献を見るでもなく…。なおかつ、その鑑定は驚くほど正確。そして、鑑定した人もそれに感心した人も大抵の場合こう言います。「長年の勘ってやつだね」。

 物の鑑定・判別については、ある程度才能や向き不向きがといったものがあるのもかしれません。単純に、知識の有無や経験の差もあるとは思います。しかし、人間が持った「鑑定・判別する力」というのは、科学的に説明するのが困難なくらい優れていると思うのです。そういった「根拠ある経験則」の細目を一つ一つ説明・立証するのが難しいため、高度な鑑定技術を「長年の勘」という曖昧にしてもっともらしい一言で表現しているのでしょう。

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