・競りの妙 その4

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 しばらくして、オークション会社からカタログが送られてきました。

 私の出品物は、勿論この茶碗でなく他の品がメイン。その写真映りやエスティメート(落札予想価格)にばかり目が行きました。カタログを捲っているとすっかり頭から消えていた茶碗も掲載されていましたが、何とその前後には同様の品がいくつか並べられています。「その2」にも書いた通り、「よくある品」「おなじみの品」というのは損なもの。見た目や銘、僧侶の書付、作者(職工)に違いこそあるものの、ほとんど同じと看做される品がいくつか重なっては、単純に考えて競りを期待できません。しかも、私が出した茶碗の直前に2、3点同じような品があったのです。この茶碗、出品の際に「もういくらでも良い」という気分にはなっていましたが、この時点で「損をするな」と思いました。

 オークション当日、私は会場へと出かけることに。自分の出品物について見るのもそうですが、様子を見ながら仕入れるのも商売です。美術・骨董品には「相場」があるものの、競りにより相場の高い日と安い日は存在します。売って儲からない日~競りが盛り上らない日は買いに回り、売って儲かる日~競りが盛り上っている日はじっと売りに専念する…。どちらに転んでも状況次第で商売になるというわけです。

 大抵の場合、オークションは前半に安めの物~後半になるほど高い物が出品されますが、私の茶碗は中頃に出されていました。値段的には安いものの、その辺りには茶道具が集中していたのでカテゴリー別に分けていたようです。オークションが開始され、「成り行き」で出した私の商品はマズマズ好調に売れて行きました。損した品、ほぼトントンの品とありますが、競りが発生して高く跳ねた品もいくつかあり、高い手数料を計算してもソコソコの利益を上げていたのです。

 そして、私の茶碗を含めいくつか同じような茶碗が掲載されたページへと競りは進みました。 しかし、ここで思いがけないことが起こったのです。
※その5に続きます

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