・着物~布の売買 その1

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 以前、あるお金持ちの家へ鑑定に行った時の話です。

 たくさんあった陶器・掛け軸の類に良い物はほとんどありませんでしたが、とにかく多かったのは「着物」。ただ、状態は良さそうなものの、専門外で価値がわかりません。処分云々の話になりそうなところを何とかごまかして帰ってきた記憶があります。

 恥ずかしながら知識がないので詳細は不明ですが、着物というのは「品質」や「管理」といった面が非常に厳しい商品のようです。一度袖を通すと価値が落ちるとか、ほとんどわからないような極めて小さなホツレや汚れがあるだけでダメとか…。極端な話、「扱うなら着物になる前~反物の状態じゃないとダメ」ということも聞いたことがあります(笑)。多少は誇張もあるのでしょうが、古物として扱うにはそれくらいデリケートな品ということなのでしょう。そんなわけで、私は一度も着物の類を扱ったことがありません。

 鑑定からしばらくしてその話をオバチャン業者にしたところ、「話を振ってくれれば良かったのにぃ~」と言われてしまいました。着物としては勿論、骨董市で「端布(端裂 ハギレ)」は売れ筋の商品。不用となった帯や着物を裁断して、手芸や衣装等の素材として販売するのです。私も女性がたくさん集まって買っている光景を見たことがありますが、とてもよく売れる商品のようでした。もっとも、いま話がきても自ら着物の処分を請け負うことはないでしょうが…。例えタダでも、段取りをつけるのだけで一手間です。

 さて、着物はともかく私も商品としてたまに扱う「布」があります。それは茶道具として扱われる布~例えば袱紗・仕覆など。茶道具として扱われる布は新作・古布(古裂)とも結構高く、書付のある箱に入った物もあるほどです。それ以外で私が商品として扱う布系の物は、あまりないでしょうか? それでも和骨董・西洋骨董問わず、布や織物は人気・需要がある商品。こういった物は、生活の基本となる「衣食住」~「衣」の部分と関連性がある商品だけに、人々の興味や需要が消えないのです。これは、商品を「衣」に用いるという意味だけではありません。生活に密着し、太古の昔から生産されているような品は人間の思考(嗜好)から切り離せないということだと思うのです。
※その2に続きます

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