・よりによって…

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 先日行なわれた古美術商の交換会であった話です。ある方が商品を出品する準備をしていたのですが、「ガシャーン」という音が…。

 たくさんの美術・骨董品が持ち込まれる競り会場において、破損事故はそれほど珍しくありません。また、当日の朝その方から「今日はゴミの処分だよ」と聞いていたこともあり、大して気にもしていませんでした。実際、壊れた品も1、2点くらいのようです。
 
 しばらくして目の前にその方の出品物が回ってきましたが、確かにこれといった物はありません。普通の花瓶やら安価な骨董品やらがたくさん出てきます。いくつかまとめて千円、2千円といった物が多かったでしょうか? そして、最後に割れた品も出てきたのですが…。

 何と、割れていたのはその人の商品の中でも頭抜けて素晴らしい、そして珍しい陶器だったのです。多分この方は他の商品が安物ということで、一つくらい「おっ」という品を混ぜたのではないでしょうか? 安物ばかり出品するというのは、やはりちょっと恥ずかしいのです。売る気がなくても高い物を混ぜることはありますが、よりによってただ一つだけあった価値ある陶器を壊してしまうとは…。

 割れたのは蓋の部分でしたが、それでもその品にはソコソコの高値が付きました。割れてしまったことで本来の相場からすればずいぶんと下がってしまったものの、その人にとってみればもう「見たくもない品」。結局、ヤケクソとばかり付けられた値段で即座に売り払っていました。

 売り番が終わってその方は私の隣に座りましたが、さすがに掛ける声がありませんでした…。

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