・日本人の好み

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 日本には、ガレ・ドームを中心としたアンティークガラスや、マイセンといった陶磁器に広くコレクターがいますが、西洋で主要な商品として扱われているにもかかわらず日本ではイマ一つ人気のない商品も存在します。

 中でも、代表的なものはブロンズを始めとする彫刻(彫塑)類でしょう。陶器やガラスに比べると、日本における彫刻の相場は低めです。日本と海外の住宅事情を考れば、売れづらいのも少しはわかる気もしますが…。勿論、彫刻類の芸術的価値が他に比べて劣るという事は全くありません。好みにも寄りますが、世界的に見て価値ある品を安く買おうと考えるなら、アンティークや美術品としての西洋彫刻類はオススメです。

 これはよく言われることですが、どうやら日本人は「コワレモノ」を好む傾向にあるようです。確かに、陶器の修復にしても西洋ではキズを見えないようにする~完品に近づけようとするのが当然なのに対し、日本では金継ぎ(金直し)と言って、高級陶器ですらわざと修復箇所を見せるような直し方をする場合もあります。日本美術に造詣のある海外の方でなければ、この直し方は全く理解できないことでしょう。 

 西洋では「完全な物」が好まれるとも聞きます。一般的に、数字も整然とした偶数が好まれると言いますし、先程の「修復」についてもそうなのでしょう。少々のことでは壊れず、金属や石を使った重厚で力強い、ある意味「永遠の命」を持った彫刻は、もしかしたら西洋人の好みに合ったものなのかもしれません。逆に、「侘び寂び」や「儚さ」といったものに惹かれる日本人が、同じ西洋の美術品でもガラスや陶器の方に強く関心を寄せるのも何となくわかる気がするのです。

 さて、彫刻類の売買についてですが、日本の作・海外の作、金工・木工問わず、女性や子供、可愛い動物の像などは比較的人気があります。逆に、いかつい男性像とか、戦士・武士の類は人気がなくて売れづらい場合も多いです。日本では明治~戦前頃の作家が、日本書紀などに出てくる神話時代の人物像や太古の偉人像などをよく造っていますが、かなり著名な作家の作品でないと面白味に欠けるため売れづらかったりします。なお、彫刻でも仏像や観音様にはまた別の需要がありますし、恵比寿様や大黒様といった品も古美術商がよく扱う商品。現在でも需要があるだけに、作者がわからなくとも出来や雰囲気によっては意外な高値で取引されるケースも多いです。

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