・美術オークション 2009後半

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 先日、ある大手美術オークション会社の出品担当者と話す機会がありました。

 オークション会社の担当者と会場で(お客さんとして)会話すると「いまが底ですからね」とか「美術・骨董品を買う時期には良いです」などと言われるものですが、それ以外の場所で(関係者として)話すと本音を聞けるもの。「なかなか厳しいですね…」。そう、オークション会社も規模縮小や人員削減、合併、移転などいろいろ大変なのです。

「いやー、ほんの1年前に比べても相場は下がってますよ。××(←著名な作家名)なんて、1/3くらいの落札価格じゃないですか?」。このページで作家名を出すことはできませんが、担当者の口から出たのは美術ファンなら誰でも知っている、あるいはそうでない方でも名前を知っているであろうという相当な作家でした。通常、ある程度のビッグネームになると作品の価格というのはガクンと下がらないものなのですが、そこには以前にもこのサイト(「裏」の方だったかな?)で記事にした「ある理由」があるのです。※この話は作家名も交え、年末(あるいは新年)の「裏美術売買」で記事にする予定です。

 私はこの担当者と、昨年末にもオークションの会場で話をしたことがありました。「来年の5月頃には少しずつ良くなると思います」。しかし、景気がどうなったかは皆さんの判断にお任せするとして、オークション落札価格が5月以降良くなったという感じには見えません。「多少そういう兆しはある」との話を耳にしたこともありますが、誤差の範囲だったり、あるいは元々高額な作品が「ある程度の価格」で落札され「この時期この価格で売れました」という程度のことだったと思います。最近の落札価格を見ても、苦戦は明らかでしょう。

 一方、先日行われたニューヨークのコンテンポラリー・オークションを見ると、高額落札品も連発! という状態でした。それらの品は人気作家の、しかも代表作と言ってよいくらいの良品。こういう品には、いつの時代にも買い手がいるものです。

 と書くと、前半に書いた「1/3になってしまった価格の品」の話と矛盾すると考える方もいるかもしれません。確かにどちらも著名な作家の品で、しかも良品です。ところが、一方は高額で落札され、一方は大幅に下落…。

 評価額・鑑定額ではなく、美術品の現実的な「落札価格」を考えたとき、売り手・買い手ともいろいろなポイントに気付かされるのではないかと考えています。

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コメント

やっと更新していただけましたね。実は初めてこのサイトに辿り着いた日から毎日まだか、まだかと一日千秋の思いで見ていたのですが、とてもうれしいです。

確かに最近の落札価格安いようですね。つい最近私も損切りして売ってもらいました。とある銀座の画廊が半年以上売れなかったのを交換会に出され、それを買った業者さんが出品されたのですが、最低落札価格に達しないのが2回続いたもので。業者さんがおっしゃるには、それぐらいが相場かと諦めたとのことでした。

ところで、私はまだまだ新参者なのですが、これからも応援して参りますので、是非、裏美術売買のお仲間にも加えて下さいませ。再びこれだけの期間、再び更新を待ち続けるのは少々キツうございますm(_ _)m

コメント有難うございます。

更新の方は、相変わらずのマイペースで行きたいと考えています。サイト運営はあくまで趣味ですし、プレッシャーになってもいけません。楽しみにしていただけるのは大変有り難いですが、気長にお待ちいただければ幸いです(年末には更新しようかと考えています)。

中途半端な美術品の下落に加えてこのデフレ、デフレの雰囲気にもまれて先は暗いですね。そこでこの現況下に強いものを考えてみました。それは慶長大判を額装して飾るのはいかがでしょうか。400年たった金の色に加えて、あのシャッキ!!とした書体は一級の美術品ではないでしょうか。価格の下落もそれほどないし、値上げも楽しみですしね(笑)・・・・。

 コメント有難うございます。

 古銭というのは、また独自の世界ですからね。あまり詳しくありませんが、コレクターの収集熱とか、現存枚数の関係で下がりづらい品なのかもしれません。

 ただ、若いコインマニアの方はどのくらいいるのかな? などという疑問も感じてしまいました。私が子供の頃はみんな切手を集めていましたが、切手・古銭を趣味にしている方も年代と共に減りつつある気がするのですが…。勿論、一部の骨董品もそうです。

 品物そのもののコレクション的価値は落ちなくても、ジャンルのニーズ自体が減る可能性は考えなければなりませんね。

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