・大量処分2~「捨てないで下さい」その1

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 前回と同様のケースですが、今度はあるショップ(会社?)が在庫処分した際のエピソードです。

 古美術商同士が品を売買し合う交換会では、案内状に「お荷物の個数に関わらず出品をお待ちします」とか「出品大歓迎・集荷あり」などと書かれる場合があります。また、会主(責任者)から「○○君、今度品物持ってきてよ」などと頼まれる場合もあります。会は基本的に商品を売った手数料で運営されますし、そもそも品物がないと取引になりません。出品数が多ければ交換会も魅力的になって来場者も増えますし、それだけ収益も上がるのです。

 しかし今回紹介する会は、当日のみ「荷物を持ってこないで下さい」という全く逆のお知らせが出ていたようでした。あるお店が大量の在庫を処分するため、それに集中しないと終わらないというのです。当日、私はそれを知らずにきていたのですが、幸い出品物もないし「チャンス」とばかり競りに参加することとなりました。冒頭、会主の挨拶や説明がありましたが、話の最後で「え~、買った商品は捨てたり置いていったりしないで必ず持って帰って下さい」との言葉。

「??」。わざわざお金を出して買った古美術品を捨てたり置いていったりするはずがありません。まあ、それだけ数が多いので、冗談交じりに忘れ物や取り間違いに注意して下さいと言ったのだと思いました、その時点では…。

 商品は、会場内狭しと積み上げられていました。数が多いので朝早くから準備していたのでしょう。競りに際して、巨大な壺や家具など大きくて移動が面倒な品は会場の中心(もしくは壁際)に、小さい品はそれを囲むようにお盆にのせられ、場内を一周して来場者に品定めされます。ただ、既にセッティングされていた品を見て、私の頭には再び「??」が点灯しました。商品のレベルというかジャンルというか、ともかく内容がバラバラなのです。明らかに百万円程度はする茶道具があるかと思えば、百円ショップで売っているような普通の食器もあります。果ては、Tシャツとかキャンドルとか、よくわからない日用雑貨品まで出されていました。稀に、古美術品でも雑貨品でもゴチャマゼに扱ってるお店を見かけますが、どうやらそういった店の在庫処分か、小型商社の倒産セールといった感じのようでした。

 それでも、山ほどある商品の多くが一応美術品として売買の対象となる物でしたし、これだけあれば何か拾えるだろうという期待はありました。そして交換会がスタート。普段は安い物や、いくらでもよいという「成り行き品」から競りに掛けられるのですが、当日は数が多すぎてスケジュールが読めないため、高い品から始められたのです。先程見た百万円前後の茶道具や、金銭的価値の高い骨董品が次々と売られていきました。価格は、やや安めとは言え思ったよりも行ったでしょうか? 処分ということでかなり下の価格から競りが開始されたのですが、「処分品」「安い」という先入観から、意外と競り上がってしまうのです。お金の問題もありますが、高い物で私が利益を出せそうな品はありませんでした。

 高額商品の出品が一通り終わっても、価値ある品はまだたくさん残っています。私の好きな酒器などもポチポチと出てきました。しかし、そこで予想外の売り方がされたのです…。
※その2に続きます。

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