・大量処分1~「廃業した古美術商」

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 古美術品やそれに近い物を扱っている(持っている)お店が廃業する場合、在庫処分に交換会(業者の市場)が利用されたりします。

 何度か閉店~会で処分という場に居合わせたことがありますが、これには2つパターンがあります。まず、美術商そのものが廃業する場合。お店が儲からず潰れる場合もありますが、逆にある程度お金ができて辞める場合や、他に割の良い仕事を見つけたため辞めるという場合もありました。もう一つは、旅館や陶芸店といった店舗が潰れる~代理で古美術商が処分するパターン。旅館の品なら食器やお膳といった物が多く出されますし、飾られていた壺や絵画が出てくる場合もあります。が、こういった他業種の閉店の場合は、数ばかり多くて大した品は出てこないでしょうか? ちなみに、処分品の中に良品が多い場合、交換会には出さず請け負った業者が直接売り買いしてしまう場合も多いです。

 以前、ある古美術商が廃業するとのことで、会に大量の品が持ち込まれたことがありました。ピンからキリまでといった感じでしたが、古美術商が扱っていた品だけに一応どれも売買の対象となる品です。しかし在庫処分のため出品数が多く、お盆に載っている一山いくらという売り方がされました。出している方も、当日中に残らず売り切りたかったのです。

 この方、以前は会で値段が折り合わないことも多く、出品物の内の何点かを売るかどうかという感じでした。が、当日はお盆に3つ4つソコソコの品が載って数千円程度で落とされても平然とした顔をしていました。中には怪しげな骨董品もあったようですが、値段も安いし物もまずまずなので商品は残らず売れていったのです。

 廃業とは言え、いつも「そんな値段じゃ売れない」と言ってた人が随分アッサリと処分するなぁ、と思っていましたが、噂を聞くとどうやら商売以外のところで大金が手に入ったとのことでした。宝クジが当ったのか、土地が売れたのか、あるいは遺産が入ったのか…。ともかく、ここで100万や200万(もっと?)の損をしても、もう何ともなかったのでしょう。

 古美術商というのは、上手くいっている人もいるでしょうが、正直なかなか儲けるのが難しい仕事です。損して売ることも多いですし、雇い主から給料が出る仕事と違い、さんざん働いて1日の利益が計算上0だったりマイナスだったりすることも珍しくありません。美術商だけではやっていけず、他の仕事と掛け持ちしているという方の話も意外なほど多く耳にするのですが、にも関わらずこの仕事を続けるのは、やはり好きだからでしょう。

 よく覚えていませんが、某有名古美術商が「1億あったら何を買いますか?」という質問に「骨董屋をやめて遊んで暮らします」と答えたと聞きます。何も古美術商に限らない話とは思いますが、正直それが偽らざる心境かもしれません。

 交換会での大量処分については、次回別のエピソードをご紹介いたします。

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