・近所のリサイクルで その2

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 いつものように店内を見回すと、ある商品に目が留まりました。それは、表面全体に金箔を施された漆器です。

 キンキラキンではありますが、きちんとした物は派手というよりもむしろ落ち着いて見えるものです。箱が残っていて、見ると京都のしっかりしたお店が作っている品のようでした。おそらく、店頭価格もソコソコはすることでしょう。「自分用に買ってもいいかな」と思っていたのですが、嫌な予感が…。見ると新聞のチラシを切った裏側に「1000円」と書かれた値札。それだけなら問題ないのですが、なんとセロテープで漆器本体にくっつけていたのです。漆器にセロテープを貼るのもご法度ですが、増して金箔が施されている物です…。 

「オバチャン、これまずいよ。ダメかもしれないけど早めに剥がした方がいいよ」。お店の商品なので、懇意とは言え私が勝手に手を出すわけには行きません。オバチャンがセロテープを剥がすと、金箔は見事なまでにセロテープと共に剥がれていきました。テープカッターでテープを切ると切り口にカッターの「ギザギザ」が付きますが、なんとそのギザギザがクッキリ分かるほど綺麗に金箔が取れてしまったのです…。「あらぁ~」。さすがのオバチャンも苦笑い。これでは商品になりません。こうして老舗漆器店の豪華な金箔作品は「パー」となったのでした。

 渋いので好みはあるかもしれませんが、漆器はリサイクルショップで比較的見つけやすく、お手頃価格で手に入ったりします。漆器は一次価格が高いので、新しい物でもお盆や文箱などでお気に入りが見つかるようなら買われてみるのも良いでしょう。漆器の選び方とすれば、状態が良く擦りキズのない物は勿論、「手油」にも気をつけて下さい。漆器を触って軽い指紋や手油がついた程度ならすぐ拭けば落ちますが、時間が経って油が染みこんでしまうと落とすのが極めて困難なのです。これは、漆器の扱い全体に言えますので、ご注意いただいた方が良いでしょう。あまりベタベタ触られているような物は、油やキズがついている可能性大です。

 さらに、根本的なことですがなるべく「木の物」を買わなければなりません。「木以外の漆器なんてあるの?」と聞かれそうですが、ウレタンやプラスチック等の素材に塗装した物もあるのです。また「天然木使用」と書いてあっても、天然木の「粉末」を固めて素材を作り、その上から塗装したものも存在します。木材の見分けは慣れていないと難しいですし、別素材でも使うのに良い品はありますが、どうしてもわからなければ素材が表示されている商品を買われると良いでしょう(箱にシールがついていたり、箱の中に小さい紙が入っていて素材を表示しているものもあります)。また、老舗漆器店の品にそういった物は少ないので、ネット等で調べて覚えておかれるのも良いかもしれません。

 勿論、それを売って商売になるというわけではないですし、商品を気に入らなければ買っても仕方ありません。が、私は良いお盆など見つける度に買ってしまいます。京漆器、村上堆朱、個人的に好きな琉球漆器。また、鎌倉彫や春慶塗等々いろいろなお店で安く買いましたが、まともに買ったらかなりの金額でしょう。小遣い程度の予算でも、ちょっとしたコレクションにはなるものです。

 リサイクルショップの話に戻ります。 漆器の話から少し経ったつい最近のこと、今度は店内に小さな油絵が「落ちて」いました。普通「落ちている」と言うのは「安く売られている」という意味で使われるのですが、その作品は本当に床へ「ポトッ」と置かれていたのです。
※その3ヘ続きます

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