・GWのドライブで その2

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 郊外の道をひたすら走ると、今度は妙な看板を見つけました

 どうやら、大型ディスカウントスーパーのようです。しかし、道路に面した大きな看板を見ると「食品」「ペット」「生活雑貨」といろいろあって、なぜか最後に「骨董」。これは入らざるを得ません…。

 中に入って驚きました。本当にスーパーマーケットと骨董屋さんが合体しているのです。骨董屋と言っても一軒ではなく、いくつかのお店が共同で入っている「骨董館」といった感じになっていました。スーパーと同じ建物・入り口なので、買い物カゴをぶら下げたオバチャンや親子連れとすれ違いつつ売り場へ向かいます…。

 さすがに、たくさん置いてある品の中には良さそうな物もいくつか見当たりました。が、ともかく展示というか、陳列が凄まじいのです。高い安いというのは別にして、商品は丁寧に扱いたいもの。しかし、お店によって度合いの違いこそあれ、品物はホコリまみれの「放置状態」。陶器その他の商品が本当に「山のように(ピラミッド型に)」積み重なっているお店もありました。スーパーならではの販売用ワゴンに入れられていたのですが、これでは商品同士擦れてキズがつきそうですし、何より手に取ろうとすれば「山崩れ」が起きてしまいます。思わず「しょうがないなぁ~」と口に出そうとした瞬間、山影に店主の姿が見えました。

 偉そうに言わせてもらえれば、暗く雑然としたその場所で美術・骨董品を売買しようという気に、私はとてもなれませんでした。同じ建物内にあるスーパーは盛況のようですが、同じくらいの広さを持つこちらには私と友人、あと1人くらいしか客がいないようです。店の人がいない所も何軒かあったので、倉庫代わりに使っている方もいるのでしょう。もしかしたら、その場所で売れなくても構わないのかもしれません。しばらくすると、姿の見えなかった友人が大きな袋を持って戻ってきました。「おお~、何か買ったの??」「うん、インスタント味噌汁が安かったから、大量に買いだめしてきたよ」 「…」。

 何でもかんでも扱っていたり、商品が山のようにあって歩き場所がなかったり、店内に入ったらホコリとカビ臭でムセたり…。稀にこういったお店を見かけることがあります。前回の記事に書いた、ぐい呑を買ったお店もそんな感じでした(置いてある陶器の箱を見たら、ダニが大量に蠢いていました)。他人様の商売ですから何も言えませんが、こうなってしまうと「美術品を扱う店」としては、ちょっと厳しいでしょう。以前記事にしましたが、私たちは商品を買い出す際、いらない物や美術品でない物まで買わなければならないことがあります。が、そういった品や雑多な物まで店頭に並べてしまうかどうか、ここで美術商としての差というか違いが出てしまうのかもしれません。勿論、どちらが良い・悪いということではないのですが…。

 しかし、中にはこういった雑然としたお店に「骨董屋」ならではの魅力を見出している方もいるのかもしれません。ホコリまみれの品に埋もれてとんでもない物があるかもしれない、山程ある品の中からガサゴソ探したい、何か安く拾えるかもしれない…。美術品の売り方・見せ方にもいろいろあるものですが、どのような展示が好みかというのは、売る人・買う人、その人次第ということなのでしょう。買い物という点では大した成果のなかったGWのドライブも、何かと勉強にはなりました。
『裏美術売買』で、スーパーの写真を交えた追加記事を期間限定で掲載しました。

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コメント

 こんばんは。

 商品が「置いてある」というより「散乱」していてすべてホコリにまみれている、そういうお店ってたまにありますね(店のご主人もホコリっぽかったり。)

 いい気はしないけれど、我慢して店に入って、目をつけた品が適当に「100円」とか値が付いていると思わずほくそ笑みます。それを期待して、ついつい入ってしまいます。

 ブログ、とても勉強になります。また見させていただきます。

 コメント有難うございます。 そうですね、どこに「当たり」があるか、入ってみなければわかりませんね。宝探し感覚になれるのも、こういったお店に入ってしまう理由でしょうか(笑)。

 ハギワラ様のブログ、文章の雰囲気が好きです。また寄らせていただきます。

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