・バブルどころじゃない現代美術 その4

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 一昔前のオークションカタログにあった現代美術品。その落札価格を見ると、現在との違いに改めて驚かされる場合があります。絵画を中心とした一般的な美術作品の価格も変動してはいますが、この大きな変化は現代美術ならではの動きとも言えるのでしょう。

 さて、前回までは相場の上がった現代美術品について書いてきました。しかし、中には価格が落ち込んだまま戻らなかったり、さらに安くなってしまっている作品もあるのです。

 実は、これに関する記事はこのサイト開始当初から掲載しています(カテゴリー~「現代美術・絵画」から、最初の方の記事をご覧下さい )。もう2年以上前に書いたものですが、その時点で既にこういった動きは顕著となっていました。そして、それらの品は記事を書いた当時から価格が回復していない…というよりも、景気が回復しつつある今日ますます冷え込んでいるのです。今回の記事で話題としている画廊の主人も「いやー、以前買った○○(←価格が下落した作家)の作品持ってるけど、買値と今の相場の差がありすぎて売るに売れないよ…」と嘆いていました。幸いなことに、この画廊ではこの手の下落している作品群を在庫としてほとんど持っていないという話でしたが、これらの品を主要な取り扱い作品としている画廊は大苦戦をしていることでしょう。

 勿論、こういった作品の「芸術的価値」が失われたわけではありません。作家自体は、今でも美術界から高く評価されている場合が多いですし、大きな美術館にも作品は飾られています。ただ、現代美術品にしても絵画・陶芸品にしても、買い手がいなければ値段もつかないという話は毎度書いている通り。特に、その時その時の作風を持ち、流行を敏感に反映している現代美術の世界では、ともすると一世代前の作品が「やや時代遅れ」「ちょっと古い作品」と見られている可能性もあるように思えるのです。

 これが、日本画や洋画なら画風の違いはあっても「時代遅れ」という意見が出ることはあまりないですし、骨董品なら古さがマイナス評価になるケースはほとんどないでしょう。チョイ古くらいの中途半端な品でも、「レトロ」などという好意的な言葉で表現される場合さえあります。確かに、作家物の陶器であるとか絵画にも旬や流行はありますし、「人気作家」といった要素もありはするのですが、現代美術という特殊な世界において「過去の作風(作品)」と感じさせてしまうのは、商的に見たとき最も痛いことなのかもしれません。
※その5に続きます

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