・バブルどころじゃない現代美術 その5

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 少し変な例え話かもしれませんが、数十年前の大ヒット曲でも今となってはその世代の人にしか聴かれなくなってしまった、あるいは「懐かしの名曲」といった番組ですら紹介されなくなった曲がたくさんあります。それらの曲も決してデキが悪いとか、価値がないということはないでしょう。「名曲」と呼ばれている作品も多いかもしれません。

 が、冷たく言ってしまえば、作品に対する表面上の評価と商的な評価は全く別の話です。時代と共に少しずつ忘れ去られていく曲、今でもたまには聴かれる曲、カヴァーされて歌われたりCMに使われる曲、スタンダードとなって一つの国内のみならず世界中で聴かれたり、買い求められる曲…。評価は同じ「名曲」でも、時代を越えて需要のあるものとそうでないものがあるのです。

 音楽の場合は流通するにしてもCD(あるいはダウンロード)といった形になりますし、著作権もありますから商的な事情は違うでしょう。また、「かつての名曲」であろうが「現在も聴き続けられる名曲」であろうが、量産品であるCDを購入する価格はほとんど同じです。これが美術品の場合、流通する品が基本的に1点物か少ない部数であり、売買される商品の価格も一般的に高額で幅があることから、残酷なまでにわかりやすく価格に反映されてしまうということなのかもしれません。勿論、音楽と美術作品ではいろいろ異なる点もありますし、美術品にしても現代美術だけに当てはまる話ではないのですが、考え方や時代の流れとして意外と共通点は多いように感じます。

 では、今が旬の現代美術品も世代が変われば価値が大きく下落するのでしょうか? 確かに、そうなるかもしれません。全く新しい作風、アーティストが出現すれば、ある時期最先端にあった現代美術品も商的に古くなり相場が下がる可能性はあるでしょう。

 ただ、今活躍しているアーティストと一世代前に主流だったアーティストでは、少し違う部分があるのです。

※この話の「その6」は『裏美術売買』に掲載します。

※現代美術の記事は、表立ったWEBサイトでやや書きにくい面があります。記事中、短絡的にまとめたような箇所もいくつかありましたが、『裏美術売買』ではもう一歩踏み込んだ記事を掲載。実際の作品やオークション落札価格などを例に出しつつアップしようと考えています。

※追記 現代美術の情報やオーションの動向を、『裏美術売買』で紹介中です。

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コメント

現代美術品は、なにかブランド品に似てるような気がします。最終話、大変楽しみにしています。

 コメント有難うございます。

 実は、本文でブランドやファッションにも例えていたのですが、長くなるので音楽の例だけにしました。商品として流通しはじめた時期が似ていて、アーティストの世代変わりや評価の変わり方などがわかりやすかった点もその理由です。

 詳しい方にはあまり役に立たない記事かな? とは思いますが、YMOさんには「最終回の次の記事」をお楽しみにしていただきましょう…。

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