・哀愁の上野不忍池骨董市 その2

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 寒風の吹く上野不忍池。それでも久しぶりの骨董市だけあって、私の気分は少し高揚していました。

 が、出店数の少なさからか、「これは」という品が見つかりません。美術・骨董品ではなく雑貨品のような物を売る店も多く、「拾い物」というより「欲しい物」自体を見つけることができなかったのです。

 勿論これは「私は」ということであって、見る人が見れば面白い品があるのかもしれません。それに、骨董市では欲しい品を見つけられる日もあればそうでない日もあります。その時は、たまたま買うべき物を見つけられなかったということでしょう。

 実際、私は何年か前にこの骨董市で「ちょっとした拾い物」をしたことがありました。ある高名な作家の品を格安で買ったのですが、それ以外にも「価格は安いが、マズマズの品」もいくつか買った記憶がありますし、どこの市であれ買える時は買えるものです。

 ずいぶん以前の記事にも書きましたが、私はお店なり骨董市へ行くと必ず何か1つ買うようにしています。物を買う(売る)というのは、一種の「挨拶」というか人とのつながりを生み出すものですし、「何か買ってやろう」「1つ買うまで帰らない」という気構えを持って骨董市なり古美術店に並べられた品を見ると、陰に隠れているような良品も見えてくるのです。最終的にどうしても買う品が見つからないケースはあるのですが、「冷やかしで見てみるか…」「安かったら買うか…」ではなく、最初から「必ず何か買う」という前提がないと物というのはよく見えないのかもしれません。

 話を戻し、さんざん見回したこの小さな骨董市で、私は「ある陶器」を買うことにしました。物は悪くありませんが、価格も安いですしこれ1つ仕入れて売ったところで商売になどならない品です。それでも、品を買ったことでようやく一区切りつけ、私は市を後にすることにしました。

 移動しようと時計を見ると、どうやら次の仕事の待ち合わせまでまだ少し時間があるようです。どこか別の場所へ行くにも、喫茶店に入るにも中途半端な残り時間。そこでもう一度端からゆっくりとお店を見回し、骨董市を通り抜けてから次の目的地へ向かうことにしたのですが…。

 私を待ち受けていたのは、骨董市での「ちょっと恥ずかしい失敗」でした。

※かなり以前にこの骨董市で見つけた「拾い物」。その品とは? そして、どうして私は同業者からそれを格安で買えたのでしょうか? また、私がしてしまった「恥ずかしい失敗」とは? この辺はちょっと具体的な話題となりますので、今回私が買った品と共に『裏美術売買』の方でご紹介する予定です。

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