・骨董市で安く買う その2

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 前回の続きです。ある骨董市で知り合いの業者が並べた品の中に、私は「お買い得品」を見つけていました。

 前回書いた通り、作品は本物ですし見たところキズもありません。作者も有名で、売り手が知らないわけはないと思うのですが…。

 私は早速、この作品を買うと告げました。すると彼がニコッと笑ったのです。この笑いは、ニセモノで引っ掛けたとか、何か曰く付きの品を掴ませたとか、そういう意地の悪い笑いではありません。むしろ、私がこの品を買うことに興味を持った…という感じの爽やかな笑いでした。

「○○さん、この作家をご存知ですか? 私は調べてもわからなかったんです。売るのをやめるとは言わないので教えてくれませんか?」。そう、彼はこの品の作者がわからなかったのです。

 正直に告げて売るのをやめず(値段も動かさず)、教えを請うのは彼の潔いところでしょう。いや、まあ美術商が自ら付けた値段で「やっぱり売れません」とは言えませんし、私が逆の立場でも「ちょっと待って下さい」とは言えません。よっぽど桁違いで相手も懇意…などという場合はともかく、得をしても損をしても「勉強」という世界です。

 ともかく今回のケースでは、彼は作者を知りませんでした。いや、正確に言えば、彼は著名なこの作品の作者を当然のごとく知ってはいたのです。作者は知っていたのに、手持ちの作品と作者を結び付けられなかった…というのが真相と言うべきでしょうか?

 この作品は「共箱」、つまり作者のサインが入った箱に入っていました。名前だけですが、読めない字ではありません。作品も勿論本物です。

 ではなぜ、売り手は作者と作品を結び付けられなかったのでしょうか?

※その3に続きます

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