・骨董の価格 その3

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 私は経験した事がありませんが、美術・骨董品の相続~それにまつわるトラブルも多いようです。

 コレクターだった方が故人となり、それを相続する際に揉めるということなのですが、美術・骨董品に限らず金目の物なら起こりえるでしょう。問題は、当の遺産が「果たしていくらか?」ということです。不動産や有価証券ならわかり易いですし、動産でもある程度価値はわかりそうなものですが、骨董品となると価値はおろか真贋すら「?」の場合が多いかもしれません。先輩美術商から聞いたことがありますが、遺族同士が美術品の相続を巡って大揉め~さんざん引っ張り合いをした挙句、全く価値のないニセモノだったというケースもよくあるようです…。

 幸い、私はこういう場面に遭遇したことはありませんが、知り合いの方に頼まれて遺品の価値を鑑定しに行ったことがあります。別邸にある遺品を処分したいのだが、価値のある品があるかどうかということでした(価値のある品は取っておきたかったようです)。亡くなったのは依頼人の母親ということでしたが、着物や茶道具などがたくさんあるとの話。山ほどある美術品らしき物を見ましたが、価値の高い物はほとんどありませんでした。お金持ちのご夫人が、お付き合いで茶道などされていたのでしょう。道具はいずれも「お稽古用」といった感じで、本格的なものというよりは現代の陶工が作った数物(悪い物というわけではありません)。掛け軸や茶道具以外の陶器もほぼ同様。中に数点あったソコソコ名のある現代作家の作品を指摘した程度で仕事は終わりました。依頼人は社会的地位もある方で、しかも大変な紳士。良い方が相手でしたし、比較的わかり易い物が多くアッサリ終わりましたが、他の方の話を聞くにつけ遺産相続その他に関わる仕事はなるべく避けたいなとは考えています…。

 なぜこのようなことを書くのかと言えば、しばらく前から美術・骨董品の贈与であるとか、相続税の物納であるとか、そういったことが話題になることも増えたからです。また、いわゆる「差押」等で押さえられた美術・骨董品が競売にかけられるケースも増えてきました。このとき、「実際の価値」を知っていないと売る側(納める側)・買う側(納められる側)とも損害を被ることになります。遺産相続~揉めた末ニセモノというケースを先程書きましたが、鑑定額100万円~実際に売ったら10万円で問題になることが起こり得るかもしれません。骨董の鑑定~評価額を出すのは何かと難しいことですが、業界全体が考える問題ではあるでしょう。また、鑑定~法務との連携といったことを新たに「ビジネスチャンス」と捉えている方、実行している方も既にいると思います。

 ともかく、美術・骨董品は「趣味の物」。価値を多く見積もりがちになる場合もあります。夢のない話にはなりますが、一度お手持ちの作品を「実際に売ってみたらどのくらいになるのか?」と冷静に考えるのも、この時代有意義なことかも知れません。
『裏美術売買』では、「オークション解析」のカテゴリーを設置。「評価額」「鑑定価格」ではなく、美術・骨董品の現実的な「落札価格」を紹介しています。

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