・儲かって落ち込んだ人

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 先日ある交換会に行くと、私の先輩である古美術商が落ち込んだ感じで座っていました…。

「どうしたんですか?」と声を掛けると、その方と親しい周りの方が笑っています。A:「いやー、5千円で買った掛け軸が3万円で売れたんだよ」、私:「いいじゃないですか、儲け話で…」。先輩:「いや、それを買った人が2百万円で転売したんだって…」。確かに、これはショックです(笑)。

 美術・骨董品の類には様々なジャンルがありますが、美術商には自分の得意なジャンル(知識があって高く売ることができる品)とそうでないものがあります。この先輩は刀剣などの売買を得意とし、掛け軸の類はあまり得意ではありませんでした。業者価格で2百万円と言えばかなりの商品。大金を儲けられなかったショックは勿論、それ程の品を大して調べもせずに売ってしまった方が10倍も悔しいことです。いくら得意でないジャンルの商品でも、筋の良い物かどうか(まともに見れば)大抵はわかるのですが…。

 しかし、そういったことの繰り返しで古美術商の取引は成り立っているのかもしれません。自分の得意でない品・よくわからない品は、ちょっとした利益が出れば右から左に売りたいものなのです。そして、その商品を得意としている人が買って利益を出す。いま書いた話は極端な例かも知れませんが、これが「商売」というものでしょう。

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