・プチプチを鑑定する(?)

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 美術・骨董品でなくとも、陶器やコワレモノを梱包したことのある方は多いでしょう。保管・移動したり、発送された方もいると思います。

 古美術商の仕事を始めてしばらく、私はある所で美術品の梱包・発送作業を手伝っていました。骨董品や陶器を中心に、かなりの数の品物を梱包したでしょうか? お陰で、梱包のコツや壊れないようにする入れ方などが自然と身につきました。作業に際し、プチプチ(エアバッグ、エアパッキン)をいつも注文していたのですが、この値段はバカにならないものです。そこでいろいろな業者に当ってみたところ、正直これほどまで差があるのかと思うくらい値段に幅がありました。ある時、東京のド真ん中・某所に出向いて梱包することになったのですが、いつも2千円くらいで買っている1ロールが近所の店で「はい、お安く5千円となっております」と言われてしまったのです。メーカーは違うものの、質・内容量はほぼ同じ。出向いた先で他に買う所が見つかりませんし経費は雇い主持ちですが、ずいぶんと高い買い物でした。

 後日、経費削減のため資材業者にきてもらったところ「こちらがサンプルになります」と、10cm四方に切られたプチプチが帖になったもの見せられました。カーペットで折り方や素材・色柄がサンプルになったものを見たことがありますが、あれに近いものです。一言でプチプチと言っても、フニャフニャなもの、厚みのあるもの、膨らみに弾力のあるもの、ないもの等いろいろあるものですねぇ。プチプチを触りながらどれを買おうか真剣に品定めしているしている姿は、傍から見れば笑えたかもしれません。

 プチプチを留めるにはセロテープを使います。が、このセロテープで先日ちょっとした失敗をしてしまいました。テープの玉が無くなりそうだったため、私はたまたま寄った大手100円ショップで購入。いつもはホームセンターでメーカー品を買っているのですが(と言っても値段はほぼ同じです)、同じく5玉入りでしたし大した違いはないだろうと何も考えず買ったのです。そして、梱包作業した際その失敗に気付きました。なんと、フニャフニャの極薄で、テープカッターで上手く切れてくれないのです。このお陰で、作業時間は普段の倍も掛かってしまいました…。

 セロテープに限らず、ビニールを使ったような商品~プチプチ、ガム(布)テープ等は品質に大きな違いがありますし、またホームセンター独自の商品など、小売店によっても品質に差がでます。美術品を鑑定するのとは違いますが、よく見て(使用して)手にあったものを使用するとより上手く梱包ができることでしょう。なお、例えば小売店オリジナルブランドの品質が良い場合、その店では他の品の質も良いケースが多いです(特定のメーカー品は別ですが、ガムテープの品質が良ければ、ダンボール等も大抵良い物が置かれています)。

 いろいろ書きましたが、最も手軽で優れた梱包材は「新聞紙」でしょう。加工のしやすさ、硬さ等、どれをとっても理想的。どこの家庭でもあるでしょうし、駅にも置かれています。また、最近の新聞は比較的インク移りもしづらいようです。チラシを使う方もいますが、チラシは折ると角が硬くなってしまうケースもあるので要注意。骨董市などへ行く際は、必要のない新聞を少し(夕刊分程度)カバンに入れておくと良いでしょう。裸の商品は勿論、箱に入っている商品でも中で動くと壊れることがあります。詰め込みすぎは逆効果ですが、フンワリと中で動かない程度に新聞を詰めれば、破損事故を大幅に防げるものです。

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