・また一山の話 その3

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 以前、記事に書いた「恐怖の小箱」のような珍しいハズレは置くとして、実際に山の中にあった「?」な商品のいくつかをご紹介しましょう。

 まず、「パンの取っ手」。「パン」というのは「フライパン」のパンです。栓抜きを長くしたような取っ手の先がカギ状になっていて、そこにパンの縁を引っ掛けて持つもの。しかし、肝心のパンがありません。全く同じ取っ手だけ、それぞれ紙箱に入って5本。規格もあるでしょうし、一部の商品でなければフライパンの類には大抵元から取っ手が付いているものです。単体では全く使い道がありません。しかも、なぜか未使用品5本…。

 次に、「ACアダプター」。ACアダプターは説明の必要がないでしょう。家電製品などによくついてくる、黒い小さな箱型電源です。しかし、こちらも規格等あるでしょうし、必要な家電製品には元から付いています。それが未使用の状態~ボール箱に入って同じ物が10個。これがまた、運ぶとなると結構重いのです。

 他にもいろいろありますが、少し前にあったのは「ストラップ20本」。「ストラップ20本? いいじゃない」と思った方も多いと思います。全部同じ品でも、誰かにあげれば良いと。が、このストラップ、携帯電話に付けるストラップではありません。水筒などを肩から提げる、あの黒くて平べったい長さを調節できる紐のことです。これが1本1本ビニールに入って、未使用の状態で20本。勿論、水筒とかバッグとか、ぶら提げる「本体」は存在しません。いや、工夫すれば何かには使えるのでしょう。そこら辺の紐よりは頑丈なはず。しかし、どうすればよいのか…。 

 ちなみに上記のいらない商品、「私が見た一山の珍商品」ではありません。全て「私が買った一山の珍商品」です。「何でそんなもん買うんだ?」と思われるでしょうが、山の中にある他の商品に欲しい物があるのです。良い物ばかりの山に目当ての品がある場合、「その1つだけ分けて競りにかけてくれませんか?」と言うこともできなくはないのですが、それを抜いた結果「ゴミの山」になっては、残りを買う人がいなくなってしまいます。市場の進行上、さすがにそれはできません。

 上に書いた品は、恐らく買出し屋さんが倒産在庫や処分品、デッドストックを買ったのが流れてきたのでしょう(買出し屋さんも、何かとまとめて買わされていると思います)。安い市場へ行くほど、美術商やリサイクル商、廃品回収業といった広義の「古物商」が同じ場所で売買する機会が多いのです。「花瓶とACアダプター」「お皿と水筒のストラップ」。最近こういった仕入場所に行く機会はめっきり減りましたが、不用品と美術品が「一山」にされて市場に出ることはよくあります。仕方なく山ごと買うことになるものの、その結果「欲しくない物」「意味不明の商品」を手にしてしまったことは、多くの古美術商が経験していることでしょう。そして、不用な物がまた「山の一部」として出品されるのです。

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