・2017年の美術売買

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 年末にオークション記事を載せたので遅くなりましたが、2017年を振り返りたいと思います。

 まず、前回までの記事で書いていた通り、ここ1-2年はネットオークションで作品を購入する機会が増え、美術商による交換会へ行く機会がめっきりと減ってしまいました。自分の目で確認できない怖さはあるものの、家にいながらにして仕入れができるのは便利。ネットオークションを利用し始めた頃は売る方でしたが、今や買う方になっています。

「美術商もコレクターも参加してるのに、ネットオークションで拾い物なんてあるの?」という方もいるでしょう。が、それについては前回までの記事をご覧になればお分かりいただけることと思います。商売ということだけで考えるなら、自分が売れる価格以下で買えればよいわけです。莫大に出され続ける品の中でタイミングよく安く買えたり、前回の記事で書いたような「相場より高い金額で売れる品」も結構あるのです。  

 とは言え、骨董品の価格が全体的に低調になっているのには注意が必要でしょう。ネットオークションを見て「安い」「お買い得」と思っても、現在の相場が「そんなもの」なのかもしれません。もちろん、良い品には値段が付きますし品物自体の存在価値は変わらないのですが、ずいぶん前から売れづらくなっている掛け軸や、少しずつ需要が減っている茶道具など、古物としての相場が今後どうなっていくのか気になります。
※この件については、2017年にいただいたこちらのコメントもご覧下さい。

 一方、コンテンポラーアートは比較的好調な売買が続いているようです。一部作家の「異常」とも言える高騰も継続中。骨董系の商品では稀にしか見られない、コンテンポラリーアートのならではの「投機的な買い」も活発なようです。

 投機的…などと書くと、純粋なアートファンは嫌な顔をされるのかもしれませんが、それもコンテンポラリーアートを買う楽しみの1つ。若手作家や現存する作家の作品を手頃な価格で買って楽しむ。そして、評価の高まりも楽しむ。思いがけず高値になった作品を売却しても良いですし、引き続き飾って自慢の逸品にされるのも良いでしょう。

 話を戻し、美術・骨董品を売るにしても買うにしても、今やネットがないと立ち行かない時代になりました。ただ、繰り返しネットオークションやネット通販を利用する中で、疑問というか腑に落ちないところというか、そういったネガティブなことを考える機会も増えてきたのです。次回以降、そんな話も書いていければなと思っています。

 以前からこのサイトをご覧になっている方がどれくらい残っていらっしゃるかわかりませんが、今年も1年よろしくお願いできればと思います。

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